特集|水電池

いわゆる「濃淡電池」、すなわち「水を注入して発電する水電池」は特別変わったものではない。活性炭等の粉末充填材を差し込んだ正極集電体と、水(電解液)を粉末充填材に供給するための吸水部材とを含む構成からなり、この電池の構造で、負極外筒体の底面の注水口から吸収部材を通して粉末充填材に注入、両電極間に起電力を生じさせる。水電池が放電した後に、注水口から水を注入することによって、再び電気を発生させることができるという仕掛けだ。図1(実用新案登録 U3112869)は、上開口と下開口を有する金属ケースと、上開口を封止させる封止ブロック(3)と、ヘッドと封止ブロック(3)を貫通する陽極ロッドと、金属ケースに設けられた吸水部材と、封止ブロック(3)との間の活性炭と、吸水部材 を任意位置に固定するリングと、貫通孔を有する封止ブロック(6)を備えている構造をとる。

図1 水電池に水を注入する状態を示す断面図

【符号の説明】
1 金属パイプ 11上開口 11'下開口 2 陽極ロッド 2 ' 陽極ロッド 21 ヘッド 22 ロッド本体 3封止ブロック 31 貫通孔 4 吸水部材 5 位置決めリング 6 封止ブロック 7 活性炭 8 貯水空間

一般に電力は、風力、原子力、太陽エネルギーまたはバッテリーなどから供給され、バッテリーとしては、低汚染である亜鉛/銅の電極がよく使用され金属の電位差により電力をつくる。しかし、亜鉛/銅の電極を有するバッテリーは食塩水を電解液として使用するので、次のような問題をもつ。

 (1)化学反応の過程中、食塩水の中に雑物が発生しやすいので、バッテリーの電力供給効果を低下
  させてしまう。
 (2)電解液の補充が面倒であるので、一旦バッテリーの電力供給効果が低下してしまうと、非常に不
  便である。
 (3)食塩水を電解液として使用すると、亜鉛と銅からなる電極の使用寿命に悪影響を与えるので、バ
  ッリーの使用寿命を向上させることができない。

陽極ロッド(2)は、例えばステンレスのヘッド(21)と例えばカーボネードのロッド本体(22)からなり、前記上開口(11)に中央にロッド本体(22)を収容するための貫通孔(31)を有する封止ブロック(3)が設けられ、前記吸水部材(4)は封止ブロック(3)と接触しないように金属パイプ(1)の内部に設けられ、該吸水部材(4)と封止ブロック(3)との間に活性炭(7)が充填される。また、位置決めリン グ(5)は吸水部材(4)を位置決めするために金属パイプ(1)の内部に設けられる。金属パイプ(1)の下開口(11')に中央に貫通孔(6) を有する封止ブロック(6)が設けられる。また封止ブロック(6)は導電可能な材質からなる。

図2 水電池の実施例

図2に示すように、本考案に係る水電池を組合わせる場合、先ず封止ブロック(3)によって金属パイプ(1) の上開口(11) を封止させ、該ロッド本体(22) を封止ブロック(3)の貫通孔(31)に挿入させ、金属パイプ(1)の下開口(11')を通じて金属パイプ(1) の内部に活性炭(7) が充填され、次に吸水部材(4)と位置決めリング(5) を順序に金属パイプ(1)の内部に設置させ、最後に封止ブロック(6)によって金属パイプ(1)の下開口(11') を封止させる.。また、封止ブロック(6)によって金属パイプ(1)の下開口(11') を封止させた後、封止ブロック(6)と吸水部材(4) との間に貯水空間(8) が形成される。陽極ロッド(2')のヘッドとロッド本体をステンレスからなる一体形成のロッドや、水を含む活性炭を電解液として使用すると、約1.5ボルトの電圧を発生でき、水電池の電力が弱くする際、封止ブロック(6)の貫通孔(61) を通じ、貯水空間(8)に水を注入させ、水を吸水部材(4) で活性炭(7)に吸収することにより、水電池を簡単に再利用することができる。 これに対し、図3改良型水電池(実用新案登録:U3154488)は、電気化学的面積を広げることによって、より電気を発生させ易くすることのできる水電池が発生する。 そのために、注水口の第1端部と、反対端部と、正極電極と、金属製の負極電極と、正極活物質からなる粉末充填材とを含む水電池で、正極電極が円筒状の正極外筒体と棒状の正極集電体で構成、充填材が正極外筒体の内部に充填され、負極電極が、正極外筒体内の極内筒体から形成され、正極集電体が、負極内部に配置されている。

【課題】
電気化学的面積を広げることによって、より電気を発生させ易くすることのできる水電池を提供する。
【解決手段】
水を注入して発電する水電池において、正極電極が円筒状の正極外筒体15と棒状の正極集電体34とから形成されており、粉末充填材が正極外筒体15の内部に充填されており、負極電極が、正極外筒体15内に配置された円筒状の負極内筒体17から形成されており、正極集電体34が、負極内筒体17の内部に配置されている。

図3 改良型水電池構成概説図

【符号の説明】
10 水電池 11 第1端部 12 第2端部 14 被覆カバー 15 正極外筒体 16 粉末充填材 17 負極内筒体 19a,19b 注水口 23 正極蓋部材 34 正極集電体 L1,L2 離間寸法 46,47 スペース部 48,49 分離壁部

それ以外に以下の条件をそなえることいが望ましい。 (1)正極と負極との径方向における離間寸法と、負極と正極集電体との径方向における離間寸法とがほぼ等しい。 (2)正極全体が、合金製の被覆カバーで覆われている。 (3)注水口が被覆カバーに形成され、被覆カバーと正極との間には、導電性部材から形成された、ほぼ十字形の正極蓋部材が配置されている。
(4)正極と負極のうち少なくとも、負極の内部には、内部を分離する径方向へ延びる分離壁部が設け、内部の第2端部側には、粉末充填材が充填されていないスペース部が形成されている。

図4 改良型水電池の概要図

改良型ミス電池の円筒状の正極に円筒状の負極内筒体が配置されて、負極内には、棒状の正極集電体が配置されているため、単に棒状の電極を水電池内部に挿入する場合に比べて、電気化学的面積が広がり、より電気を発生させ易くすることで発電効率が向上する。

図5 改良型水電池の断面図(横)

負極蓋部材38の周縁部に、ABS樹脂などの絶縁部材の封止栓42が配置され、封止栓42は、開口42aを有し、開口42aには、負極17が挿通されている。また、開口42aの突出部43には、正極15の第2開口端部22が嵌合されている。正極15と負極17との間に封止栓42が配置されることで導通を遮断できる。正極15を覆う被覆カバー14の開口端部14bは、抜け止めの折り返しがほどかされており、封止栓42上に位置しする。正極15、正極蓋部材23、正極集電体34は、導電性の高い黒鉛やエボナイトなどを用いる。負極17は、金属マグネシウム、アルミニウム、亜鉛などのイオン化傾向の大きい電極活物質、またはそれらを2種類以上含む合金から形成されている。粉末充填材16は、酸化力の強い正極活物質、例えば、活性炭、二酸化マンガン、電解二酸化マンガン、酸化鉄、結晶性の酸化銀などの混合物から形成される。支持部材37と封止栓42とは、プラスチックス、ガラス、セラミックなどの絶縁材料から形成され、正極集電体34と負極蓋部材38、正極15と負極17との導通を遮断する。

図6 改良型水電池の断面図(縦1)

改良型水電池10内部では、正極15と負極17との径方向の離間距離L1と、負極体17と正極集電体34との径方向の離間距離L2とがほぼ等しくなるように、設計、配置されている。また、注水口19a,19bから注入され、吸水材33に吸収された水は、粉末充填材16に浸透、拡散される。拡散された水は酸化反応触媒としての役割を果たし、正極15と負極17との間と、正極集電体34と負極17との間に電位差が生じ、起電力が発生する。水電池10内の中心に向かって正極電極と負極電極とを交互に配置していることから、単に棒状の電極を水電池10内部に挿入する場合に比べて、電気化学的面積が広がり、より電気を発生させ易くすることができる(※空間係数)。長時間の連続使用等によって、水電池10内部が高圧となって、正極15にひび割れや破損が生じたとしても、正極15は、ステンレス等から形成された被覆カバー14によって覆われているので、粉末充填材16が外部にこぼれ出て、漏電を引き起こすおそれはない。

図7 改良型水電池の断面図(縦2)

第2実施形態における水電池10の図7と同様の縦断面図である。支持部材37が配置されておらず、水電池10内部の第2端部12側において、粉末充填材16が充填された充填部45と、粉末充填材16が充填されていないスペース部46,47とを分離するためのパラフィンからなる分離壁部48,49が配置されている。分離壁部48,49は、負極17の内面において、正極集電体34の第2端部36の下方に位置する円形の内側分離壁部48と、正極15と負極17との間に配置された、中央部に負極17を貫通する開孔を有する外側分離壁部49とから形成されている。内側分離壁部48は、その外周縁部が負極17の内周面に当接した状態で保持されており、外側分離壁部49は、正極15の内周面に沿って封止栓42から上方に延びるリブ50上に載置されている。封止栓42は第1実施形態に比べて嵩高であって、負極蓋部材38の突出部39は封止栓42とほぼ同じ厚さを有している。なお、分離壁部48,49は、内側分離壁部48のみから形成されていてもよい。本実施形態では、発電時の電気反応によって充填部45において気体が発生し、充填部45の内圧が上昇したときに、内圧に押されて、内外側分離壁部48,49が崩れる。それにより、スペース部46,47に粉末充填材16が流れ込み、それと同時に、充填部45の比較的に高圧の空気が比較的に低圧の空気が充填されたスペース部46,47に流れ込むので、水電池10内部全体の空気は中圧となり、内部の圧力によって正極15の一部にひび割れが生じて破れ、粉末充填材16が外部に漏れ出るおそれはない。

使用感想を見てみるとと、斬新な製品だが、まだまだ改善する余地はありそうだ。電池の中に水を注入するために、本製品にはスポイトがついており、(1)スポイトなしでは水は入りにくい。(2)セットで保管しておかないといけない点が少々面倒で、水の注入にはややコツがいるため、(3)水の量次第では1Vに満たない電圧が発生することもある。(4)逆に、水を入れすぎると中の黒い物質が水と一緒に溢れるので。やはり慣れが必要。買っておいて、いざというときに使えないのでは困る。現在、単三形と単四形の2種類が発売されている。しかし、充電器なしで充電できる水電池はユニークで改良が進めば空気電池の欠点を転倒した利点をもったものとして普及していくだろう。





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